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経済産業省とJMACが作成、製造DXを支えるスマートマニュファクチャリング構築ガイドラインの徹底解説~中堅製造業がIoT導入を進めていくためのノウハウ、事例をご紹介~

2024年11月14日に、「中堅・中小製造業の製造DXはどう始めるべきか? スマートマニュファクチャリング構築ガイドラインの解説と、IoT導入の始め方(西日本なら工場訪問可)」というセミナーを開催しました。今回はその講演内容のポイントについてご紹介します。
経済産業省とJMACが作成、スマートマニュファクチャリング構築ガイドラインを使った業務変革の実践方法
最初に、日本能率協会コンサルティング(JMAC)が経済産業省からの委託を受けて作成した「スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン」を活用して製造業務の効率化とDX推進を図る方法を詳しくご紹介します。
このガイドライン(以下、SMDガイドライン)は、製造事業者が自社内でのディスカッションを通じて製造プロセスを俯瞰し、全体最適化を目指すための指針です。中を見ると、五つの章があり、第1章と第2章でその基本思想が、第3章と第4章では製造業務の変革課題や取り組みの優先順位が示されています。そして第5章では、課題を具体的に進めるためのプロジェクト設計や実践事例が解説されています。さらに、七つのリファレンス資料も用意されており、製造事業者がスマート化やDXの企画立案を進める際の補助材料となる内容です。
講演では、SMDガイドラインの作成背景やポイントについても触れました。例えば、製造業務の変革において「個別最適」ではなく「全体最適」を目指す考え方が強調されており、製造プロセス全体を「マニュファクチャリングチェーン」として捉える手法を提案しています。また、リファレンス資料の活用例として、製造事業者が直面する外的な環境変化や業務変革における自社の特徴を類型化したデータを挙げています。これにより、製造事業者は自社の状況に応じた課題の特定とその解決策を効率的に導き出せるのです。
加えて、このガイドラインではデータ利活用に関する考え方も重要な要素として含まれています。具体的には、データを活用するために必要なITソリューションの種類やその選定ポイントについても言及し、基幹システムの入れ替えを検討している企業や、IoT導入を目指す製造業者にとって有益な情報となっています。
このガイドラインは、NEDOのウェブサイトで無償公開されています。したがって、情報システム部門の担当者の方々には、ぜひ一度内容を確認し、自社でのDX推進に活用することをお勧めします。
中堅製造業のIoT活用を推進するSMDガイドラインのポイント解説
次に、IoTがもたらす変革を活かしたい中堅製造業向けに、SMDガイドラインを活用した手順と効果がどのようなものかを解説します。
SMDガイドラインは、製造業者が直面する経営課題や業務変革課題を特定し、解決に向けた指針を示すものです。特にリファレンス資料を用いることで、企業ごとに異なる状況や目指す姿に応じたアプローチを具体化できます。また、このガイドラインは、以下の点で活用価値を持っています。
まず、製造業者が直面する課題を明確に設定できる点です。ここで、業務の変革課題は、「エンジニアリング」「サプライチェーン」など四つのチェーン別に細分化され、計57個に類型化されています。この分類により、課題の全体像を把握しやすくなり、解決すべき重点領域が明確になります。
次に、自社が目指すべきスマート化やDX化の目標を設定できる点です。これにより、現状の業務プロセスと理想的な状態とのギャップを把握し、的確な方向性を見出すことが可能です。
さらに、目指す姿を実現するために必要なITソリューションを特定できる点です。リファレンス4「変革課題別の実現レベル5段階」に基づき、自社の現状を評価し、今後の活動を通じて到達すべき情報状態を段階的に明らかにできます。
ここから、データ利活用を進めるための課題整理と統合の重要性を見ていきます。例えば、企業がデータ利活用を推進する際、しばしば直面する課題の一つは、データの用途や目的が明確でないことです。ほかに、データそのものの管理においても課題があります。具体的には、必要な管理指標や項目が統一されていない場合や、その定義が不揃いであるケースです。
これらの課題に対応するため、「データ利活用の四つのポイント」を提示しました。まず第一に、データの用途を明確化することを挙げています。なぜかというと、用途を定めることで、課題解決に必要な管理指標や分析単位が明確になり、データ収集の方向性が定まります。また、第二に、分析に必要なルールや方法を具体的に設定することが重要です。この点が曖昧であると、データの分析結果を的確に業務へ反映させることが困難になります。
さらに第三のポイントとして、分析に必要なデータを構造的に整理・保持することが求められます。これには、データの記録から統合、そして実際の活用に至るまでのフローを明確にすることが含まれます。このほか、最後のポイントとして、これらを支える情報システムの明確化が必要です。このように、これら四つのポイントを統合的に捉えたデータフローのモデルを示したうえで、記録・統合・活用の各段階における適切なアプローチを解説しました。
スマートマニュファクチャリング構築ガイドラインで示すデータ利活用の実践法を解説
ここからは、中堅中小企業のIoT導入の始め方として、サンネットDXプラットフォームforIoTを活用したデータ利活用の実践法をご紹介します。
まず、株式会社サンネットについて簡単にご紹介します。弊社は、広島に本社を構えるIT企業であり、1962年の創業以来、NECのグループ企業として幅広い業種に向けてITソリューションを提供しています。私たちは、製造業をはじめとする中堅中小企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進をサポートしており、「DXの未来を広島から」掲げ、地域密着型の事業展開を行っています。
製造業におけるIoTの導入は、中堅中小企業にとって特に重要な課題です。なぜかというと、中堅中小企業の製造業においてIoTを進める際、多くの企業が技術導入に取り組むも、次のステップが見えずに立ち往生しているケースが多いためです。経済産業省のデータでも、IoTが進まない原因の一つとして「データ連携に必要なスキルを持つ人材や知識の欠如」が挙げられています。これにより、多くの企業が異なるセンサーやシステムを導入し、データが断片化し、各部門ごとに管理の手間が増している状況です。
したがって、IoTを成功させるためには、まずは自社のIoT導入がどのレベルに位置しているのかを正確に把握することが不可欠です。つまり、スマートマニュファクチャリング構築ガイドラインに示されているように、段階的な改善を進めることで、プロセス全体の最適化を図ることが可能になります。
中堅中小企業におけるIoT導入の成功は、まず小さな成功からスタートし、徐々に規模を拡大していくことが重要です。サンネットDXプラットフォームforIoTは、その実現を支援するソリューションです。このプラットフォームは、異なるデータソースを統合し、製造現場の課題をリアルタイムで把握することで、効率的な運用を可能にします。
具体的には、温度、湿度、電力、振動などのデータを一元管理し、これらを活用することで生産性向上や不良状況の改善を実現します。また、AWSのサービスを活用することで、低コストでの導入が可能となり、業種特化型のテンプレートにより、迅速な導入とカスタマイズが実現されます。
スマートマニュファクチャリング構築ガイドラインに照らし合わせると、プロダクトチェーンにおける見える化やトレーサビリティ、品質管理といった課題を解決し、データ利活用の向上に寄与します。これにより、企業はより迅速で適切な意思決定を行い、全体最適化を達成することが可能になります。
経済産業省が示すデータ活用課題に対し、中堅製造業がIoT導入するための解決策とは?~製造業向けのデータ連携と可視化を実現できるサンネットDXプラットフォームfor IoTのご紹介~
製造業においてIoTの導入を進める際、特に経済産業省が示すデータ活用に関する課題への対策が重要です。その中でも、環境データの管理や製造装置のデータ活用が重要な課題として挙げられます。製造業において、環境データの記録は品質管理や職場環境の改善に欠かせません。これまで多くの企業では手書きやExcelによるデータ収集が主流でしたが、これには限界があります。なぜならば、手書きの記録は管理の煩雑さや、データの信頼性、可視化の困難さなどの課題を抱えているためです。
そこで、サンネットDXプラットフォームは、SIMが内蔵された小型センサーなどを導入することで、工場や倉庫の温度や湿度といった環境データを自動的に収集し、リアルタイムで可視化する手段を提供します。これにより、環境異常の早期発見や製造装置の停止時間に伴う温度上昇などを素早く把握し、迅速に対応することが可能となります。こうした取り組みは、ガイドラインが示す「信頼性の高い品質記録の仕組み」という課題を解決するものです。データの一元管理が実現することで、品質不正やデータ改ざんのリスクを抑制し、労力を大幅に削減することができます。
こうしたIoTの導入事例として、広島の食品製造会社「味日本株式会社」が挙げられます。同社は、センサーの老朽化とデータ収集の効率化を目的に、サンネットDXプラットフォームを導入しました。まずは、手書きとセンサーによる温湿度の収集を、IoTを活用した環境データの一元管理へとシステムを変革しました。この取り組みにより、温湿度管理が効率化され、空調不具合の早期発見や人手をかけずにデータ管理を行うことが可能となりました。さらに、振動データや製品の出来高データといった、より高度なデータ活用に向けた展開も進められています。
経済産業省が示すデータ活用課題に対するIoTの導入は、製造業において競争力を高める鍵となります。企業がガイドラインに沿った適切なステップを踏むことで、製造現場の課題を解決し、より効果的なデータ活用を実現できるのです。サンネットDXプラットフォームは、その支援を通じて、企業が持つデータの価値を最大限に引き出し、業務改善と品質向上を導く役割を果たします。

